世間の目も冷ややかになっていく。なかでも、光通信と資本関係にあるネット企業に対する風当たりは相当なものだった。「ネットバブル崩壊の原因はすべて光通信にある」という光通信バッシングを、連日のようにメディアやマスコミが繰り広げていたからだ。「IT革命の寵児」から、一転して「ネットバブルの元凶」へ。メディアやマスコミの急変ぶりは、ネット企業で働く人が対応に困るほど露骨なものだった。たとえば、当時業界でちょっとした流行になったのが、「光モノ」という呼び方。光通信と資本関係にあったり、光通信と取引があったりしたネット企業のことをこう呼んだ。私が当時勤めていたフレックスファームは、まさしく「光モノ」だった。
欧米の数字やアルファベットは、文字の種類が少ないので、二進法の八ケタの数字(十進法でいえば○から二五五までの数字)を用意すれば、すべての文字に一対一の対応関係が作れます。二進法の八ケタを「‐バイト」と言いますから、「シングル・バイト」の文字と、マルチ・バイト文字を使うアジアの言語圏と、シングル・バイトの欧米言語圏、そのあいだの大きな壁が、ネットワークの力で、徐々に崩された。もしネットワークがなかったら、このようなことは起こらなかったでしょう。ネットワークに、さまざまな言語による知識情報が蓄積されていて、それを交換したい、共有したいというモティベーションがあったからこそ、テクノロジーを変えることができたのです。
iTunesStoreは希有な例外として、ヤフーのような巨大なポータルサイトや、あるいは楽天のようなeコマースのサイトはウェブ1.0のビジネスモデル、ブログやSNSはウェブ2.0と、ブログやSNSの方が先進的であるともてはやされようが、それらが旧態依然とした「民放モデル」であるのは同じである。こと、「儲けのしくみ」という視点からは、ウェブ1.0であろうが2.0であろうが、どちらもそう変わらないのである。広告に一切頼らず、たとえばコンテンツ販売だけで成立しうるネットビジネスはあるかというと、きわめてニッチな世界以外はおそらくないであろう。「広告に依存せざるを得ないのであるとしたら、その部分をより先鋭化すべきだ」という議論は出てきて当然である。